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2014-06-13

ジミー・ライトニングの元ネタと、国ごとの受けとりかたの話

追記……転載のお知らせ

この記事は双方の許諾のもとに AUTOMATON 様へコラムとして転載していただきました。大幅な編集のおかげで、テキストの意図がより伝わりやすくなっています。

ジミー・ライトニングの元ネタから知るカルチャーギャップと、求められる冷静さ | AUTOMATON


ライトニングさんとは?

PopCap のゲーム、『Peggle』に登場するジミー・ライトニングをご存知だろうか。

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ざっくり説明すると、画面下から唐突にあらわれ、「ヤバい!」「ワオ…」など、プレイヤーに独特なエールを送る、という役割をあたえられたキャラクターである。


その演出の奇異さや、訳されたエールの妙味から、コアなファンがつき、 AA などもつくられ、それがゲームでの役割と同様に脈絡なく唐突に貼られていった結果、


元ネタ不明のままAAだけが一人歩きしていた。

ヤバい!とは ニコニコ大百科


しかし、このジミーの演出にも元ネタがある。それは、先日 E3 で最新作の fatality が公開されたばかりの特 A 級タイトル、『モータルコンバット』である。

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実写のおじさんが画面下から唐突にあらわれ、吹き出しこそないが「Toasty!」と裏声でさけんで消える。画像でおわかりのようにジミーの語彙のひとつにも「Toasty!」があるので、これは「参照」をあらわしているのだろう。この Toasty! の声、スクリレックスにサンプリングされるほどメジャーなものであり、 wiki などを読むとジミーの元ネタは Toasty! おじさんということでコンセンサスがとれているようだ。


モーコン文化を経由しているアメリカのゲーマーであれば、ジミーが Toasty! と叫びながら画面下よりあらわれるのを見て、おそらく「ははあ、モーコンのあれだな」と認識してしまうため、ジミーに奇異さを感じても、いわゆるミーム化するところまではいたらなかった。


日本はちがった。一部で「トッシー」などと解釈されていたものの、モーコンのおじさんの発言には字幕がないので Toasty の字が伝わらず、そしてジミーの台詞は「ホカホカ!」などとローカライズされたものとなっているので、同じことをいっていると把握するのが非常に困難だったのだ。


日本で特にジミーがミームとなったその背景要素のひとつに、モーコンネタがつたわらない日本人には、より奇異にジミーがうつったため、というものがあると筆者は考えている。


文化が違えば受けとりかたも違う。日本にはアメリカのゲームである MK のネタが伝わりにくいし、アメリカには日本のスポーツ紙の信ぴょう性が伝わりにくい。カプコン辻本社長の E3 での発言、とされる記事がとりざたさたれた。あの発言について世界中を検索してもスポニチアネックス(共同通信ソース)だけが記事として載せているということを知れば、鵜呑みにはできないと判断するのが妥当だろう。


英語圏ではそうはいかなかった。 Event Hubs が勝手に該当記事を翻訳して掲載。 Polygon や Destructoid なども拡散にひとやく買い、大騒ぎになった。日本の通信社が日本の経営者に取材し、日本のスポーツ紙によって報道された記事であるにかかわらず、小野 P はまず英語で訂正した。しかし、スポニチの記事を引っ張ってきて訳すなど、真偽の怪しさを承知で記事にしたのではないか。 EH は非難されるべきであろう。


E3 のためにわざわざ小野 P も辻本社長も渡米している最中に、アメリカのメディアの誰も確認のために取材せず、一刻も早くアクセスを稼ぐため取り急ぎで記事にしたというのも、情けない話である。こういうところだけはどの言語圏でもかわらないようだ。

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